ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

イネーブリングの罠

2025年01月05日 07:27

わが国の外交政策に対して、

「土下座外交」という表現がなされますが、

ひきこもっているわが子への

「あがないの謝罪人生」は、

確実に長期化を招きます。

 


 

イネーブリングという言葉がありますが、

これは、アルコール依存症などの

アディクション(嗜癖)問題で、

回復を妨げる要因にあげられているものの

代表格で、「世話やき行為」のことです。

 


 

アルコール依存症の夫の代わりに、

かいがいしく働き、

身の回りの世話をする妻がいると、

回復が長引くのです。


 

 

アディクション(嗜癖)というものは、

“悪習慣へののめり込み”ですが、

回復を願っているはずの妻自身が、

夫の世話をやくことへ嗜癖していくのです。

 

 


夫から「おまえがいないと生きていけない」

とか、周囲から「奥さん、偉いわねぇ」

などの賞賛を得られること、求められること

の快感を得ていくからです。

 


 

このイネーブリングが、

「あがないの謝罪人生」の中で、

起こってしまいがちです。

 


 

実際に、食事を部屋に届けることから、

頼まれた買い物をしてくる、

外出の際の運転手といったことまで

行っているケースは、

これまでいく例も見てきました。




前に述べた罪責感罪悪感から、

過剰に身の回りの世話をやいてしまおうと

するのです。


 

 

ききわけのいい子ならぬ都合のいい親

になってしまわないようにしませんと、

子どもたちの依存心を強めてしまうばかりか、

本人の現実直視を妨害するかたちになり、

結果自立を妨げてしまうことになります。

 


 

人がどれだけ周囲から求められる

自分でいたいのかが、

親御さん自身このことで、

実感できるのではないでしょうか。


 

 

青年たちは、愛されることを必要とし、

親御さんたちは、

わが子から必要とされることを必要とし、

ここに「共依存」という呪縛が生じます。




互いが依存しあうことで、

自身の存在の価値を確認しあう罠に

はまってしまうのです。




ひきこもりが終わらない理由が

ここにあるのです。






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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

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