ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

豊かな社会感情

2024年12月18日 06:54

人間尊重の心理学マズローの欲求階層論

からの見解をこれまで紹介してきましたが、

考察している「自己実現」は、

帰るべき心のふるさとを失っている現代人

には、有益な視点を提供してくれるもの

であり、人生という大地にしっかり根を

はれるための具体策を明らかにしてくれます。



前に述べましたように、

不登校、ひきこもりの青少年たちは、

自身の理想像をイメージできないでいます。




「どうなりたい」かを尋ねても、

「普通」としか返ってきません。

「普通に学校に通って・・・」

「普通に働いて・・・」

といった具合です。

 


 

その言葉には、多くは求めない。

ごくごく普通の生活ができるだけでいい。

といった思いがこめられています。

中には、「普通にもなれていない最低の人間」

と自分を卑下している青年もいます。

 


 

ひとつの生き方の理想となりえる

自己実現者の特徴をあげて参りましたが、

ここでも紹介してみましょう。

 


 

マズローは、自己実現者は、

豊かな社会感情をもつことをあげています。

彼らは、他人の喜びや悲しみへの共感ができ、

他人との一体感が人一倍強いのです。

 

 

ユング心理学では、人類共通の意識層として、

集合的無意識という

心の深層領域を提唱していますが、

自己実現者の社会的関心は、

見知らぬ他人にまで及び、まさに

「人類の一員」という意識があるのです。

 


 

子どもたちへの道徳的教育の中で、

「人さまにご迷惑をかけないように」

という言葉がよく聞かれます。

迷惑をかけないことは、もとよりですが、

もう一歩進めて、

「人さまのお役にたつように」と

伝えてもらいたいものです。


 

 

迷惑をかけないだと、「邪魔をしない」に

とどまってしまいがちです。

役にたとうと思えば、「どう役にたとうか」

ということで、他者の立場に立ち、

何をすることで助かるか、

喜んでもらえるか、

と自ずと共感的な姿勢が身につきます。

 

 

「人は、結局は自分のことで悩む」

と言われます。

自分の周りに壁を作り、

自分だけのことで悩んでいれば、

自己の殻の中に閉じこもり、

社会という視点をもてなくなるのです。



近江商人の「三方よし」に習い、

自分、相手、社会に役立つための教育

を勧めていきたいものです。

(続く)





*********************************************

家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/

*********************************************