ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

主体性の放棄

2024年11月27日 07:19

前回から続けます。




アイデンティティとは、

自己が自己であり得るということですから、

他でもない自分らしさの自覚です。


 

 

自他を区別できる自己の特性

認識できていれば、

自ずと自然に沸き起こる感情も

表出できますし、

意思表示や態度、行動で

明確に自分を表現できます。

これが自発性です。

 


 

ここで、自発性に関連して、

対人交渉の際に出てくる

“譲れる” “譲れない”の問題について

論じてみましょう。

 

 


他者と協調性を保ちながら、

自身の要求を実現させていくためには、

相手と自分との意見、希望の違いの間で、

折り合いをつけていかなければなりません。

その時に、どこまで妥協し、

譲るか、譲らないかが問題となります。

 

 


自発性の高い人間は、

譲れない範囲は、自身の存在の根幹に関わる

ほどの大事に限られ、非常に小さく、

譲れる範囲をできるだけ大きくもち、

「大事のために小事を譲る」という姿勢が

できています。

 


 

大事に関しては、決して妥協することなく、

社会環境の慣習的なものに対しても

挑戦する態度を示します。




自身の中に、アイデンティティを支える

自己規範をもっているからです。

周囲の評価に惑わされないのです。

 

 


一方、自発性が低い人間は、

譲れないものまで意思表示を避け、

結果譲ってしまうといった状態を

招いてしまいます。


 

 

周囲の評価に対して過敏であり、

「きらわれたくない」という理由で、

安易に自分の意志を押し留めます。




もちろん、満足感は常に得られず、

「させられた」という被害者意識が強ま

ります。

これは、主体性の放棄という状態です。


(続く)






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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

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