引き継がれてきたもの
2024年08月07日 07:00
家系の生き方を反復再現するということは、
人は死してなお、子孫の手足を使って、
欲求を満たそうとする。
ということでしょうか。
前代の欲求が、バトンリレーのように
引き継がれていくということでしょうか。
欲求のエネルギーの強大さに驚かされます。
自身の欲求と自覚していたものが、
実は親や他者の欲求であったとしたら、
それは、他人の人生を生きていると
同じことです。
不登校、ひきこもりの青少年たちは、
自分の人生を生きることができなく
なってしまっていると言えます。
自分らしくありのままでいることは、
他者(多くは親)の欲求を満たすことには
ならず、それは愛されないまま生きる
ことにほかなりません。
それだけは何としても避けたいはずです。
結果、愛されることと引き換えに、
自分の欲求、人生をあきらめるのです。
しかし、ここで自分の欲求を見失った
ままでいると、再び世代伝播を繰り返して
しまいます。
もうここで、連鎖を断つことに
家族一丸となって
取り組んでは如何でしょうか。
人格の形成には、遺伝からの素因、環境因、
親の生い立ちが影響しあいます。
素因というのは、気質、知性などですが、
これに家系の相続としての
習気(じっけ=意識下に刷り込まれた悪癖)
が加えられます。
私が不登校、ひきこもりの解決支援を
行っているのは、単に学校に戻したり、
働かせるためではありません。
世代連鎖をくい止めるためなのです。
これまでにも
「結婚は絶対したくない。自分の代で
絶家させたい」
といったような、結婚を望まぬ青年や、
家族をもちたがらない青年もいました。
祖父母の代からの因習のために、
自分の欲求を封じ込めた生き方を
強いられた青年もいました。
“この子”の問題ととらえられている内は、
子ども個人の問題のまま、
子どもだけが問題視されてしまいます。
“わが子”の問題と受け止めて初めて、
自分が主体になり親自身の問題になります。
さらには、“わが家”の問題と自覚することで、
わが家に連綿と引き継がれてきたことが、
ようやくあらわになったと認識できるのです。
引き継いできたもの。
それは、自己正当化と責任転嫁、
自己都合の優先です。
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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀
ひきこもり・不登校相談
なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい
のかを具体的にアドバイス致します
https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/
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