自律さえできない子
2024年07月20日 07:07
「子どもが登校せず困っています」
「働かないで困っています」
と、相談にみえられます。
「心配ばかりかけさせて困った子です」
と、嘆かれます。
そういった時、こうお伝えしています。
「お子さんは困った子ではなく、
困ってしまっているお子さんですよ。
自力での解決ができない問題を抱え、
動けなくなってしまって困り果てて
いる状態です」と。
また、一般的に親の過保護による
甘ったれが、不登校やひきこもりと
イメージしている人たちが多いようですが、
実は逆で、甘えることを必要な時に
許されなかった子どもたちであることも、
講演会や家族会ではお話ししている
ことです。
生後9ヶ月ぐらいまでの乳児期は、
まさに母子は一体であり、共生関係です。
特に母親の対応によって、母子間に
健全な依存関係(絆)が構築できなければ、
子どもは、他者とのかかわり合いに
不安感を抱え、外界への積極的な
はたらきかけを拒むようになります。
自分が周囲から愛され、歓迎されている。
常に自分は危険から守られ、
安心していられる。
という落ち着きを得られなくなるのです。
この基本的信頼感が、その後の人間関係、
生きる姿勢の基礎となるのです。
不登校、ひきこもりの青少年たちは、
世間に出る覚悟ができないでいます。
それは、他者を理解し、自分を表現
していき、他者との協調をはかり
ながら、自己の要求を実現していく
という社会性が未成熟だからです。
自立していくためには、それ以前に
自律が必要です。
自律は、セルフ・コントロール。
自分の思考・感情・行動をコントロール
できる状態です。
その場に応じた適切な対応ができる状態
を作れなければ、自立は困難です。
昼夜逆転やゲームの時間を自分で制御
できない状態で、自立なんてできよう
はずもありません。
親子間の「絆」、健全な依存関係が
構築できずに来た子どもたちは、
歪んだアイデンティティが形成され、
アディクション(嗜癖)を招きます。
アディクションとは、各種依存症に
代表されるものです。
スマホをかたときも離せず、返信メール
の返送時間の長短を親密度の尺度にして
しまい、自分を不安がらせている状態は、
まさに依存症です。
甘えを必要とする時期にそれを許され
なかった子どもたちは、空虚さを抱え、
その埋め合わせに、
周囲の自分に寄せられる関心を貪ります。
学校に登校しないという事件を起こし、
あるいは、動かないで世話をやかせる
という行動で、周囲(親)の関心を
自分に引きつけるのです。
そういうことでしか、
見捨てられてしまうのでは、
孤立してしまうのでは
という恐怖感をぬぐいされないのです。
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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀
ひきこもり・不登校相談
なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい
のかを具体的にアドバイス致します
https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/
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