悩みは病理か?
2024年07月10日 06:51
私が不登校の子供たちとの関わりが
始まったころに私が感じていた違和感
というものは、
「なぜ学校に行かないだけで、
病人扱いなんだろう?」
ということでした。
大人でも仕事でミスをしたり、
職場の人間関係でいやなことがあれば、
行きたくない日だってあるだろうに。
「登校拒否児」なんて言葉が使われていた
時もありましたが、行きたくても行けない
ことだって普通にあるだろうし、その上、
どこかおかしいから病気だというのは、
とても抵抗がありました。
数年間、家族以外の他人と関わらない、
外出しない「ひきこもり」ともなれば、
なおさら病人扱いされるのも無理も無い
ことなのかも知れません。
その中で、犯罪を犯した加害者が、
たまたま不登校やひきこもりをしていた
ような事件が報道されるや、
ますます「あぶない」扱いにされて
しまっています。
悩みや迷いは病理でしょうか?
身内の死といったような落ち込むような
場面で、ヘラヘラ笑っていたら、
そちらの方があぶなくないでしょうか。
教え子の不登校のことで
「親御さんに病院に行くように言った方が
いいでしょうか?」と、
未だに学校教諭から電話が入る場合も
あります。
こういう言葉が返ってくることもあります。
「悩んで立ち止まることは分かります。
でも、数ヶ月、数年と悩み続けるのは、
病気じゃないですか?」と。
もちろん、それだけ本当に悩み続けて
いたら普通ではないでしょう。
しかし、大半の不登校、ひきこもりの
青少年たちは、毎日毎日悩み続けて
いるわけではありません。
表面的なところだけ見れば、
テレビを観たり、ゲームをしたり、
インターネットに興じていたりと、
お気軽に見えてしまうところが多分に
あります。
そういうところを見て、
「親の過保護による甘ったれだ!
自衛隊にでも入れればいい」と論じる方も
出てくるわけです。
ですから、毎日悩み続けていると言う
よりも、問題意識の無いまま、問題を
解決する手立てを何も打っていない。
ということなのです。
これは、当事者だけではなく、
その家族も含めてです。
(続く)
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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀
ひきこもり・不登校相談
なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい
のかを具体的にアドバイス致します
https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/
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