実存性の欠如
2024年07月01日 06:23
“ひきこもり”という現象が示してくれて
いるものは何かを考えてみましょう。
そこから、青少年の健全育成のヒントが
得られると思います。
一般的に、甘ったれた行動と見なされて
いることは否めません。
確かに
「人の目が気になるから外出ができない」
「嫌われるのがいやだから、
人とつきあえない」
「怒られるのがいやだから、働けない」
といった言葉を聞けば、そう思われても
仕方がないところもあります。
問題は、その脆弱さの原因です。
何故、あらゆるストレスに対して
そこまで抵抗力がないのかという
ことです。
根っこにあるものは何でしょうか?
ひとつのキーワードは、「実存性」です。
「実存性」とは何か?
自身が、かけがえのない存在として
生きている。
ここに生存しているという自覚です。
私という存在は、二人といません。
それだけでも価値、意味のある存在です。
しかし、その認識をもてなかったら
どうでしょう。
自分が誰からも関心をもたれず、
必要とされていない。
待ち望まれていない存在としか
思えなかったら。
特に親から「愛されていない」と
感じてしまったならば。
そうなると、自分の存在に信頼を
置けなくなってしまいます。
自分に対する信頼感をもてなくなるの
です。
自己信頼感が薄いと、自分を否定的に
しか見なくなりますし、扱わなくなります。
「どうせ間違っているのは自分」
「最後に負けるのは自分」
「失敗するのは自分」
「自分は失敗者、落伍者だ」
という自己認識にいたってしまいます。
人は、自分の存在の意味を失うことに
最も恐怖すると言われます。
自分がここに必要性をもって生存して
いるといった自覚が得られなかった場合、
自分の世界に閉じこもらざるを得なく
なるでしょう。
養育者である親から、無条件に愛されて
いるといった健全な自己愛が育って
いれば、実存性としての「自分らしさ」
を自覚できますが、そうでなければ、
過剰なほどの承認欲求の充足に強迫的
となります。
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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀
ひきこもり・不登校相談
なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい
のかを具体的にアドバイス致します
https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/
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