ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

訪問支援は目的次第

2024年06月18日 06:59

不登校やひきこもりが、数年を経過

すると、さすがに親も半ばあきらめ顔

になり、

「どうしてこんなに長くなって

しまったのか。あっという間でした」

という声がもれます。

 



この言葉の中には、

「自分たちは、一日も早く止めさせ

たかったのに、本人が何を言っても

動かず、意に反して継続してしまった」

という嘆きが含まれています。

 



しかし、実は三月で終わるものを

数年に及ばせてしまった、その片棒を

担いでしまっていたのが、他ならぬ

その親なのです。



もちろん、そのことに御たち自身は、

まったく気づいてはいません。

気づけていれば、長期化することも

なかったわけですから。

 



最近の支援傾向として、「訪問支援」

というものをよく見かけます。

これはおそらく、これまで種々の

相談窓口で、

「本人を連れて来てください」

と言われ、やっとの思いで出向いた

ものの徒労に終わり、以降、

いたずらに時を経過させてしまった

相談者からの、機能していない相談所

への批判を受けて打たれた対策だと

思われます。


 
実際、私どもにご相談に来られる方も、

ほとんどの方が他の相談機関で、

同じようなことを言われ、落胆し、

以来、相談に出向くことを止めて

しまった方が多いのも事実です。

 



不登校の教育支援センター(適応指導

教室)やスクールカウンセラーの場合も、

そこ迄たどり着けない(より支援を必要

とする)子どもたちの場合は、

取り残されている状態です。


 


たどり着いた子どもからさえ、

「好きなことしていいよ」と言われ、

やることも無く、沈黙の空気に耐え

きれず、行かなくなったということを

聞くことが少なくありません。

 



「本人が来れなければ、行くしかない」

との短絡的な対策としての訪問支援

だと思うのですが、

訪問して何をするのかの目的が明確に

なっているのだろうか尋ねてみたい

ものです。

「何のために」訪問が必要かということ

です。


 


訪問の目的を明確にすることは、

同時に訪問しなくて済むための方法を

明らかにすることでもあるのです。

このことについては、

下記のブログで述べています。
https://www.interbrain.co.jp/blog/former/entry/post-88/

https://www.interbrain.co.jp/blog/former/entry/post-89/

https://www.interbrain.co.jp/blog/former/entry/post-90/

https://www.interbrain.co.jp/blog/former/entry/post-91/




行政の取組みでも、

「本人の強い拒否がないこと」という

条件つきで訪問が行われているようです。

「拒否がない」というよりも、

本人の希望があれば訪問の意味もある

でしょうが、もとより、自ら相談窓口

に行けない状態の青年たちに、

ただ会う(接触する)ために訪問すること

は、「百害あって一利なし」

言わざるを得ないでしょう。


(続く)




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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/

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