ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

自分を映し出す鏡を失う

2024年06月06日 07:21

不登校が長期化したり、ひきこもったり

することで、何が失われていくのかを

お話ししていきましょう。

 


人との関わりから遠ざかるということが、

人間に与える意味は、鏡を得られなく

なることと言えるでしょう。

自分自身を映し出す鏡です。

 


人は、他者との相互の関わりの中で、

“自分”というものを自覚していきます。

自分が取った相手への態度、行動

(アクション)に対して、返ってくる

相手からの反応(リアクション)から、

自身の行動の適切さを判断します。


 
また、交換しあう意見の違いから、

認識(価値観)の違いに気づけます。

顔形ももちろん皆違います。

 


これらのことから、

他と違う自分がいることが自覚でき、

アイデンティティを構築することが

可能になるのです。



アイデンティティは、自分が自分で

あることの充実感であり、

存在の意義理由です。

独自の存在でいられる“自分らしさ”

感覚です。


 


前回話しましたアサーション・スキル

は、協調的な自己主張ですが、

健全なアイデンティティが構築されて

いませんと、自己主張自己表現

必要なそもそもの“自分”というものを

持ち合わせていないので、

主張することができないのです。


 


鏡に映らない自分は、透明人間と同じ

です。

その存在に誰も気がついてくれません。

それは孤独に追いやられることです。

 



不登校、ひきこもりの青年たちは、

特に同世代の者たちとの接触を極端に

避けようとします。

これは、「世代の共有」を得られて

いないからです。


 


共通して体験てしいるはずであろうもの

を体験できていないことから、

からっぽの自分もぬけのカラの自分

さとられるのが怖いのです。

過度な遅れ感といったものももって

います。

同世代から取り残された感覚です。

 



そんな自分を受容することがなど、

到底できるはずもありません。

そのことは、自己開示を妨げ、

他者とのコミュニケーションに障害が

生じます。

見知られることに怯え、親密な関係を

深めることが、かなわなくなっていく

のです。

 

(続く)






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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/

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