ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

やる気を待っていても

2024年06月02日 07:14

そもそも不登校、ひきこもりになって

しまうには、それだけの素因的な要因

があるということの認識が大切です。




「素因」というのは、

思考感情行動のパターンです。

先天的なものと環境や体験によって

形成されたものがあります。


 


ですから、素因の改善も必要なのです。

特にひきこもりなどが長期化した場合、

欠落してしまうものが出てくるのです。

それらを補ったり、修正したりして

改善しておかなければ、再び繰り返し

てしまいます。


 


未だに当事者本人のやる気に任せた

関わり方、捉え方が大半のようです。




やる気になって、動き出してくれれば

問題が解決できたと思っているようで、

やる気が出るのを待つしかないと。




ですから、外出ができた。

バイト探しを始めた。

といっただけで、

「お蔭さまで動き出しました。

ありがとうございました」

とお礼を言ってこられることが

ありますが、この辺りが全く分かって

おられないようです。

 



不登校、ひきこもりは、学校や社会

といった環境に適応できにくい状態

にあります。




適応できるためには、やる気があれば

可能というわけではありません。

適応できるだけのスキルが必要です。

その必要なスキルの内いくつかが

損なわれているのです。


 


ですから、それを身に備えるためには、

訓練が必要になってきます。

「治療」ではないのです。

どんな薬を飲んだからとて、身につく

ものではありません。

その証拠に、過去に通院歴や入院歴

のある青年もいました。


 


ある青年は、数年も精神科に通院し、

社会への不安が全く取れないことへの

不満をドクターに切々と訴えている

内容を録音したものを私に聴かせて

くれました。

(幾度と無く抗議の電話をしているよう

でドクターはお気の毒でした。

青年の気持ちも分かりますが)


 


ドクターが悪いとか誰が悪いといった

問題ではありません。

訓練(トレーニング)を必要とする状態に

治療を施したというミスです。

互いの認識不足からきたものです。

バーベルひとつも持ち上げないのに、

筋肉増強剤だけでマッチョになろうと

しているようなものです。

 



前回にあげた自力回復のひきこもりの

ケースは、なんらの訓練をしないまま

社会へ入っていったために出てきた

苦悩なのです。


 


以前、あるお受験塾の取材放映を

観ましたが、その中で講師の方が

「お受験を知識の詰め込みと誤解して

いる親がいますが、時代錯誤も

はなはだしい。

今やお受験を活用して子育てをして

いくのです

といった内容の発言がありました。

 



確かにそこに映し出された子どもたち

の様子は、好奇心丸出しの子ども本来

のノビノビとした表情や行動でした。

みんなが楽しんで学習をしていました。

 



やっている内容は、子どもたちの個性

創造性協調性思いやりといった

社会的スキルを伸ばすためのものばかり

です。




最初は、人の話を聞かないで、自分勝手

な行動ばかりを取る子どもが多いそう

ですが、そういった子どもたちが、

訓練を受けることで、様ざまな能力を

身につけていくのです。

 


それだけ、家庭での親子間の

コミュニケーションが不十分になって

いて、現代の家庭が、子どもの健全な

養育環境になっていないということを

幼児教育の分野からも認識させられ

ました。




本来家庭で親が行うべきことを行えて

おらず、お金を払って塾で教えて

もらわないといけない現状だという

ことでしょう。

 

(続く)





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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/

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