ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

共依存の呪縛

2024年02月01日 07:03

「共依存」という概念を紹介しましょう。

共依存というのは、読んで字のごとく

互いが依存しあうことで成り立つ関係性を

表します。

その本質は、

「人に必要とされることの必要」です。



人は、自分の存在の価値が無くなることに

恐怖します。




自分の身に置き換えて考えてみてください。

自分を必要としてくれる人間がこの世に

いないとしたら、あなたは耐えられるでしょうか。




朝目が覚めても、会いに行く人がいない。

待ってくれている人がいない

そんな毎日を過ごせますか?



「役立たずっ!」

社会的な生き物である私たちにとって、

一番きつい言葉ではないでしょうか。

それほど、私たちは自分の存在を

他者から承認されることを切望するのです。



共依存は、例えばアルコール依存の夫と

妻の関係の中で、夫にとって妻は、

自分の代わりに家族を養ってくれたり、

もっと言うと自分自身の生存そのものを

支えてくれている相手です。

妻の庇護のもとでしか生きていけません。



妻はと言うと、その夫から

「おまえがいなければ生きていけない」

という言葉に、自身の存在価値を見いだし

酔いしれてきます。




これに姑からの「~さん、あなたには息子が

世話になって足を向けられないわ。嫁の鑑よ」

といった甘言がこようものなら、完全に

その関係性から抜け出せなくなってきます。

夫は酒に酔いつぶれ、妻は求められたい

(愛されたい)という人間の性(サガ)に

酔いつぶれます。



共依存の背景にあるものは、コントロールです。

人がもつ他人に対するコントロール欲求です。




不登校やひきこもりの親子関係、特に

母子関係にあるのが、わが子から頼られて

いたいという親と、自分の世話をやかせる

ことで親をコントロールしようとする子ども

との間に生じます。



親は、愛情でわが子をコントロールしようと

します。

頼られなければ親としての存在価値が

失われるからです。




子どもは、世話を受けることで、

見放されていない、愛されているんだという

実感を得ようとします。



共依存の呪縛は、双方を抜き差しならぬ

間柄にしてしまいます。

つまり、自己破壊的な現状の生き方を、

互いが補い合う形になるのです。




本来自立を促すべき親が、わが子の自立

への取り組みを阻んでしまい、

子どもの方はと言えば、10代の子供でも

できるようなことすらしようとしません。




なぜなら、母親はわが子が自立すれば、

自分を必要としてもらえなくなってしまい、

子どもは、手をかけてもらえなく(愛されなく)

なると思うからです。



共依存の根っこにあるものも、空虚感であり、

自己喪失感なのです。

それは、魂の渇きと言えるほどの壮絶な

消失体験です。





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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/

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