ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

私は私 あなたはあなた

2025年06月22日 07:35

過度なコントロールをする親の態度に

いくつかのものがありますが、

それぞれの態度を招いてしまう

本質的な姿勢が、

わが子を一個の人格をもった、

自分とは違う別人格の人間である

ということを認めない姿勢です。




「この子のことは私が一番分かっている」

という言葉が出たら、要注意です。




自分のこともよく分からないのが

人間ですから、

まして他人(わが子といっても)のことが

分かろうはずもありません。

分かった気になっているのは慢心です。




「子どもは授かりもの」と申しますが、

授かってしまうと

プレゼントされたようなもので、

いつしか感謝を忘れ、

自分の所有物にしてしまいかねません。




わが子であっても、

“私のもの”ではありません。

「子どもは預かりもの」です。

天から預かったものですから、

社会へきちんと育て返すことが大切です。




ひきこもりに代表される

自立できない若者たちは、

まさに親から“我がもの(所有物)”

された結果です。




親は、子どもが誕生した瞬間、

“親”という立場を与えられたに

過ぎません。

親としての教育訓練を受けて

親になれたわけではないのです。




立場を与えられたということは、

役割責任があります。

ですから、親という立場を与えてくれた

わが子に先ず感謝し、

子どものための親である必要があります。




ところが、我がものとする親は、

自身のために子どもを利用(乱用)します。

「あなたの将来のためよ」と言いつつ、

実際は自分の世間体を保つためであったり、

老後の安心を願ってのことであったりします。




侵入され、干渉された子どもたちは、

やがて窒息し、

何ものかに依存しなければ

生きていけなくなります。




人格存在を尊重されずにきた子どもは、

アイデンティティ(自分らしさ)

が構築できず、

自身の欲求と親の欲求の区分けが

出来なくなります。




親の人生に取り込まれ、

いつまでも自分の人生を生ききる

ことがかなわず、

虚無感に支配されるようになるのです。




こういった、わが子を取り込んでしまい、

手放せない親は、

自分自身が健全なアイデンティティを

構築できていないことが多いのです。




一人の人間としてのアイデンティティを

持ち得ないと、

親であることのアイデンティティに

しがみつき、

結果子どもによりすがり(依存)ます。




父親は社会的な面から必要とされ、

求められない不満があると、

子どもを思うとおりに動かそうとしたり、




母親は、家族(主に夫)から

家政婦扱いされたりすると、

子どもに自分を頼らせようとはかり、

過剰に世話をやこうとします。

子どもからも見捨てられたくないからです。




いずれも、子どもの自主性自発性

無視した態度です。




わが子が、一個の人格をもった

別の人間であるという当たり前のことを

認識できるためには、

親自身が一人の人間として

尊厳性をもった存在である自覚をもてる

生き方が求められるのです。

自分を尊べてこそ、他者も尊べるのですから。






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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

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