ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

未解決の問題

2024年01月26日 07:16

親は、子どもが誕生した瞬間に親となります。

しかし、親という立場を与えられたに過ぎず、

役割を担うのはそれからの努力次第です。




特別、親としての教育・訓練を受けた

わけではありません。

ですから、親としての自覚責任は、

最初からそなわっているわけでは

ありません。




親に成ることは簡単でも、

親で在ることは容易ではないのです。




親自身が、自分の親から承認を得られず、

許しを得られていないまま、

親になってしまった場合、

誕生したわが子の間でその埋め合わせを

もくろんだり、わが子を利用し、

決着をつけようとします。

これが、未解決の「自身の問題」です。




親から自分を承認してもらえていない

というのは、どういうことかと言いますと、

適切な期待をかけられ、信頼されている

という自覚がもてなかったということです。




過度な期待をかけられた場合は、

挫折感ばかり味わされ、自分を卑小な

存在にしか感じられなくなります。




期待をほとんどかけられなければ、

自分の存在が親の関心の外にあると、

自分を大切にできず、粗末に扱います。




自分で判断する機会も与えられず、

親にいつでも先回りして物事を進められて

いたら、信頼されているという実感も得られず、

無能なだけの存在として、

劣等感の塊りとなってしまいます。




では、「許し」とは何でしょう?




あなたは、両親から無条件に愛されて

きましたか?

親のおめがねにかなった時だけ愛されては

いませんでしたか?

結果を出せなかったあなたも

愛してくれましたか?

がんばっても、がんばっても、

「もっと、もっと!」と要求されませんでしたか?




一度も合格点をもらえなかった子どもは、

親の期待に応えられなかった自分が、

親から許してもらえていないという気持ちを

ずっと抱え続けます。




親を裏切った無価値な自分

自分でも許せなくなってしまいます。




自分の存在そのものをまるごと、

ありのままに認められ、

愛されることがかなわなかった子どもたちは、

自己愛を育めず、愛されることに執着し、

やがて成長し大人になり、親になっても、

配偶者やわが子との人間関係の中で、

満たされなかったものを補おうするのです。




夫が妻やわが子に対して支配的になり、

コントロールすることで力を誇示し、

強い自分、できる自分と認められたいという

欲求を満たす。




妻が夫やわが子のために自己犠牲的

懸命に世話をやき、その見返りに

良き妻、良き母親、良き嫁としての承認

得ようとする。




わが子に一切の不満を与えず、

おもねることで、

わが子から愛されることを切望する。




わが子を同一化し、親子の立場が逆転する

ほどに依存することで、

わが子を自分の人生に取り込み、

自己存在の危うさを補強しようとする。




これらはすべて、未解決なまま、終わっていない

親自身の問題なのです。





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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

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