ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

不適切な期待

2025年04月02日 07:25

ひきこもりという現象は、

欲求不満耐性の脆弱性が招いたもの

と言う側面があります。




欲求不満耐性というのは、

思うようにならない状況に対しての適応力です。

どれだけ我慢でき、昇華できるか。

 

 


ひきこもる青年たちは、何かを我慢してきて、

それを昇華しきれず、限界を超え、

結局そこから逃げるために、

ひきこもりました。




青年たちの声に「自分だけが我慢してきた」

というのをよく聞きます。

こういった状態を見て、

「何が我慢だ」

「我慢が足りん」

と叱責してしまいがちですが、ここでは、

我慢の背景を考える必要があるのです。


 

 

具体的に申しますと、

私たちは、何ものかを期待し、

期待通りにならない時に不満を感じ、

その感情を溜め込みます。

ですから、そもそものその期待の内容

先に確認する必要があるのです。

つまり、その期待は適正な期待であったか

ということです。

 

 


現実性合理性を欠いた、

不適切な期待や希望を抱いている場合が

あるのです。

ここにも大きな影響を与えているのが、

前回に述べた誤った信念なのです。

 

 


人間関係の場面でトラブルを招き易い信念は、

「自分のことを周囲は受けいれるべきだ」

「自分が好意を寄せた相手は、

その相手もまた自分を好意的に迎えるべきだ」

「自分の話は必ず聞くべきだ」

といったものです。

 


 

どうですか?

皆さん自身、そういった傾向はありませんか?




こういった信念に基づいた期待があれば、

現実はほとんど叶いません。

しょっちゅう、イライラして

おかなければなりません。




そうすると、

面接に通らなかった会社に対して

「自分のことを理解できない

会社なんて大した会社ではない」

なんて、負け惜しみ的な発言も出ます。

そして何かに八つ当たりします。

慢性的なストレス状態です。

 

 


お分かりのように、

期待していることそのものが現実的でなく、

不適切なものなのです。

 


 

こういった、誤った信念をもたせる

もう一つの要因には、

親からの刷り込みがあります。




「ひとつの事も続けられないぐらいの者は、

価値の無い人間だ」

なんていう信念を植えつけられていると、

結果を出すことへの期待度が過度に高くなり、

不完全さや、失敗を過剰に避け、

完璧主義になり、結果、何もしなくなります。

挑戦して失敗することでの痛みを

味わいたくないからです。

自分が価値のない人間だなんて

信じたくありませんからね。


 

 

不適切な期待から生じる欲求不満に

耐え切れない状態で、現実から逃避し、

何事にも挑戦しない生き方が

「ひきこもり」です。






*********************************************

家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/

*********************************************