ブログ《存在の痛みへの寄り添い》

動けないから動き出せる

2023年12月02日 07:02

依存症回復のための自助グループの中で

「平安の祈り」というのがあります。



神さま私にお与えください

変えられないものを受け入れる落ち着きを

変えられるものを変える勇気を

そとしてその二つを見分ける賢さを



この祈りに実は、ひきこもり問題を解決できる

ヒントが隠されているんです。




お分かりですか?



私がこれまで関わってきた多くの事例が、

ほとんど自宅訪問をせずして当事者たち

が歩みだせたその理由がここにあるのです。



この祈りの中にあるキーワードは、

「変えられないもの」「変えられるもの」です。



世の中には、変えられるものと

変えられないものがあります。




科学が発展したこの時代でも、

四季の変化、天候をコントロールすること

はできません。




天災である、地震や水害、かんばつなども

大自然の驚異として、

ただ起こらぬことを祈るしかありません。



わが子がひきこもっているという事実は、

動かしがたい事実です。

どんなに目をそらし、考えたくなくても、

その事実はどこへもいきません。

ありのままに受けいれるしかないのです。



本人の意志に任せ見守っていても、

それはただの問題の見送り、先送り

にしかなりません。

事態はなお深刻化していくだけです。



当事者本人は、すぐには動けません

(変えられません)。

だから、変えられるのは、うごける家族、

親の方です。



問題解決の主体者は、両親なのです。

本人が動き出せない状態ですから、

親が動くしかありません。




でも、それだからこそ、結果的に解決に

至るのです。

本人がひきこもって動いてくれないから

いいんです。



しかし、そのことに気づけず、

本人が動かないことを未解決の口実に

してしまっていることが、いかに多いことか。

「親がどうこうして何になる?」

といった具合です。



ではなぜ、気づきにくいのか?




自分の問題として受け止めることへの

ためらいです。

現実を直視することであぶり出されるもの

への恐れがあるからです。



自分の問題であれば、

自身が動かなければならない。

あぶり出されたもので、

何かを損なわれるのが怖い。




だから、「変えられるものを変える」には、

勇気がいるのです。

このことに関しては、親も子も同じなのです。





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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀

ひきこもり・不登校相談

なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい

のかを具体的にアドバイス致します

https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/

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