軽んじられた「境界」
2025年10月13日 07:08
前回から続き、親から子への「境界」
を超えた侵入のケースを述べます。
子どもに自分と同じでいるように
求めるケースです。
親の価値観の押しつけですね。
子どもと観たいテレビのチャンネル
争い(これも大人気ないですが)をして、
例えば、野球好きの父親が、
子どもが観たいサッカーを
「くだらない!」と否定したり、
イラストレーターを目指したい
子どもに、
「大学出て、会社勤めをすれば
いいんだ」と
強引に進路を変えさせたり、
自分の好みの服を
娘に着させたがったり、
こういったケースでは、
子どもの自分らしさの構築を妨げる
ことにもなりますし、
親は自分の価値観を善、正しいと
思って子どもに強制しますので、
子どもの方は、
親の価値観にそぐわなかった自分を
誤り、悪と認識してしまい、
自己否定感が強められてしまいます。
これと似たケースで、
親が子どもを自分の延長とみなす
というものがあります。
親が果たせなかった夢を
子どもに託すというものです。
子どもの個性を無視し、
自分の成しえたかった方向へ
子どもを向かわせる。
これもよくあることですね。
こういった子どもを
「親の使命を負った子」と言います。
結果子どもは、
自己判断・自己決定ができなくなり、
常に何ものかに依存する生き方しか
出来なくなります。
「自分らしさ」を自覚できないまま、
親の人生に取り込まれ、
主役の座はいつまでも得られぬまま、
親の人生の駒としての人生しか
与えられません。
あげくには、
親の期待する成果を出せなければ、
取らないでいい責任だけを取らされる
といった結果になります。
子どもへの責任転嫁です。
親が自分の感情や考え、行動に
責任を持たず、
子どもにその責任を負わせる
というケースもまた
「境界」への侵入です。
子どもの成績や素行のことで、
夫婦喧嘩となり、
父親から怒られた母親が
「あんたのせいで・・・」と
子どもにグチるといったケースです。
子どもの成績と夫婦が喧嘩することは、
まったく関係ないことです。
親側の問題への対処の仕方のまずさ
であって、
子どもには責任はありません。
こういった本来親が取るべき責任を
子どもに転嫁した場合、
子どもに無謀な努力を強いたり、
無用な挫折感を味わせる結果と
なります。
これらのケースは、
いずれも親がわが子に対しての
傲慢さを慎むことを忘れ、
一個の人格をもった存在への敬いを
もてなかった場合に起こります。
子どもは一人の存在としての自分を
自覚できないでいると、
多数の他者と
関わりをもたなければならない
社会へ出て行く覚悟ができないのです。
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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀
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