復讐のはずが・・・
2025年06月02日 07:22
長期化したひきこもりの青年たちから
まま聞かれるのが、
「親への復讐」という言葉です。
例えば、自室にバリケードを設け、
立てこもっていた状態から、
脱したかなと思いきや、
家族の持ち物や電化製品などを
ことごとく質入れしたり、
代々継承してきた資産を、
自分への法定相続分を
生前贈与させようとしたり、
父親の職場まで行き、
応接室で暴力行為に及んだり。
これらの青年たちが訴えていたのは、
「自分の方を見てくれなかった」
というものです。
「家族の問題は、家族みんなで
話し合うのが普通だろっ!」
と、子どものころからの
家族間でのコミュニケーション不足を
訴えた青年もいました。
受験や進路、就職のことなど、
本人が不安でいる時も力になって
あげられていないのです。
いつも、両親のいさかいを見せつけられ、
会話や遊びなどの共有の時間を取って
もらえなかったことへの嘆き、悲しみです。
感情的にはよく分かります。
しかし、彼らの問題点、改善点は、
目的と手段のはき違えです。
『トラウマ返し』という言葉も
あるようですが、「復讐」は、懲らしめです。
そのことで、いくらかでも気を晴らしたい
のでしょうが、実際は晴れません。
なぜなら、本当に求めたいのは
「私を見てください。愛してください」
なのにそれが得られないからです。
ひきこもりは、親に依存した生き方なだけに、
前に述べたように、すがりついている以上、
その親無くして
自分の生活が成り立ちませんので、
復讐しているつもりでも、
一番ダメージを受けるのは、
自分自身なのです。
そのことに気がつけないでいます。
苦渋を与えることが
目的となってしまっているからです。
本当の目的は、
「自分の気持ちを分かって欲しい」
だと思います。
手段としての訴え方(ひきこもることも
その一つ)が、どこからか
目的となってしまい、
結果自分が一番傷ついてしまっているのです。
手段の目的化です。
親に愛されんがために、
自分の欲求をおし殺してきた青年たちは、
自身の本音の在りかも分からぬようになり、
人生を持ち崩してしまうようになるのです。
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家族心理教育コンサルタント 中光雅紀
ひきこもり・不登校相談
なぜ起こったか、原因は何か、何から始めたらいい
のかを具体的にアドバイス致します
https://mbp-japan.com/fukuoka/search/area:40/genre:9:9009/
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